- 書籍「スマホ脳」の要約、及び学び
- 無意識のうちにスマートフォンを触ってしまう方。
- スクリーンタイムが2時間を超えている方。
要約
狩猟時代で得た生存率を高める特性
我々人間は数万年程前に誕生し、今日まで絶滅せずに生き残っている。
数万年という期間の篩にて「生存確率が高くなる特性」が選別されたことにより、我々はその特性を持っている。
以下の特性は、生存確率を高めるために備わった特性だと考えられている。
- 常に新しい情報を求める。
- 新しい情報を持つほど行動の選択肢が増えるため、生存には有利である。
- 他人の情報を重視する。
- 原始時代の死亡要因として殺人が高かったため、敵が誰かを見極められる能力が必要であった。
- 「かもしれない」行動を好む。
- 狩猟時代において、食料は確実に入手できるものではなかった。
食料がとれる「かもしれない」行動を繰り返せるほど、生存には有利。
- 狩猟時代において、食料は確実に入手できるものではなかった。
- 必要以上に食料を摂取する。
- 食料は確実に手に入るものではなかったことから、カロリー蓄える行動を取るほど生存には有利。
- カロリーが摂取出来ない状態が長期間生じると、新陳代謝を低下させ消費カロリーを抑制する。
- 飢餓を耐え抜き、生存する上で非常に有効な戦略である。
- ストレス(不安)を感じると「戦う、あるいは逃げる」選択肢を取るため、心拍数が上昇する。
- 敵や獲物と遭遇した際、即行動に移せなければ死に直結する。
そのため、すぐ行動を起こせるように心拍数を高めるようになっている。
- 敵や獲物と遭遇した際、即行動に移せなければ死に直結する。
豊かな現代社会では弊害
狩猟時代であれば上記の特性は役に立つ。
しかしながら現代社会では、生活習慣病や鬱病の原因となっている。
スマートフォンは、情報入手、他人の情報、かもしれない行動を手軽に行うことができるツールである。
そのため、脳は非常に重要なものだと認識するのである。
- 常に新しい情報を求める。
- インターネットにより、無限に新しい情報を入手することができる。
- 他人の情報を重視する。
- SNSにより、他人の、新しい情報を入手することができる。
- 「かもしれない」行動を好む。
- 更新ボタンを押したり、スマートフォンをスワイプすると、情報を入手できる「かもしれない」。
- SNSは上記のすべてを満たすことができる設計となっている。
- 必要以上に食料を摂取する。
- 言うまでもなく、肥満の原因となっている。
- カロリーが摂取出来ない状態が長期間生じると、新陳代謝を低下させ消費カロリーを抑制する。
- 一方で、余剰な脂肪を排出する術を持たない。
肥満で死亡する個体が続出すると、満腹中枢が容易に満たされる特性が身につくかもしれないが…。
- 一方で、余剰な脂肪を排出する術を持たない。
- ストレス(不安)を感じると「戦う、あるいは逃げる」選択肢を取るため、心拍数が上昇する。
- この機能は危機から逃れるため、短時間の使用を想定している。
- 言い換えれば、長期間ストレスを感じる環境そのものを想定していないため、精神疾患等の症状を誘発する。
スマートフォンを重要視するとどうなる
脳のリソースがスマートフォンに割かれるため、処理能力が低下する。
「欠乏の行動経済学」でも述べられていた、欠乏状態がスマートフォンにより生じるのである。
加えてスマートフォンの欠乏は、机の上やポケットにスマートフォンがあるだけでも生じるようである。
如何にスマートフォンを重要なものであると認識しているのかがよくわかる一例である。
子供への影響
大人ですら虜にする魅力的な装置は子供にどの様な影響を与えるのだろうか。
明確なデータは無いものの処理能力を低下させるスマートフォンは、悪影響を及ぼす可能性は高いと考えられる。
処理能力は思考力や行動に及ぼす影響が大きいと考えるためである。
しかしながら、好奇心を刺激しさらなる思考力や行動を入手する手段となり得るのも事実である。
とはいえ、大人ですら使用が難しい装置を何の対策もせずに渡すことは避けたほうが良さそうである。
学び
データの出典について
新書だからなのか、参考文献等データの出典元の記載が殆ど存在しない。
そのため反証可能性のあるデータなのか、筆者の妄想なのか判断がつかない記載が所々見られる。
従って、本書の鵜呑みは厳禁であると考える。
とはいえ、「スマートフォンにより処理能力が低下する」という主張は実体験からも正しいように感じる。
パソコンは処理能力を低下させないのか
スマートフォンが処理能力を低下させるのは理解できたが、パソコンはどうだろうか。
振り返ると、情報を得るための行動は頻繁に行っていた。
- メールボックスを高頻度で確認する。
- Wechat、Lineの通知が届いたら、即確認する。
- 株価、ニュースサイト、You TubeにてF5を押す。
対策
パソコンは自由に設定できる事が多いので、スマートフォンより対策は容易に行えそうである。